「あたし我慢が出来るだけで、強くなんかないの」

「ちゃんと苦しいも悲しいも痛いもあるよ」

「なんで皆それをわかってくれないの」


次々と彼女はそうやって、今まで僕の前では隠し通して
きたであろう弱音とか、痛みとか苦しみを全部全部吐き出した。

当然だ。
そうなることはわかっていたよ。

だって、きみはそういう人だから。

僕のために、僕のために、って。ね?
重りになりたくないから、僕の邪魔に、お荷物になりたくないから。

僕のためを思って君はいつだって自分を犠牲にするんだ。

ねえ、。
君はとてもいいこだね。大好きだ。
大好きだけど、ごめんね。

答えることは、きっと出来ない。


「それは君が強いからだ」


こんな歪んだ愛でどうやって君を愛せるだろうか?
無理に決まってる。ちゃんちゃらおかしい。

だろう?


「やっぱりあなたもわかってないのね、アレン!」


嗚呼、やっぱりそうやって泣くんだね。
君のいったとおり、その涙は鉛よりも重く光っている。
後ろの夕焼けの陽で。


「わかってるよ。でもわかってないふりをしてた。」
「どうして?」
「どうしてだとおもう?」



黄昏、キス


抱き寄せて無理矢理唇を押し付けた。



勝手に君の偶像を作って崇拝していただけなんだ。


「最低だろう?」


簡単に言えば、強い君に甘えていた。



( Summer Title Dream )