今日は、とても天気が良かった。君の機嫌もまた、比例するかの様に。

「退、今日はお休みじゃなかった?」
「...、うん(覚えてるよ珍しい!)」
「久しぶりに、遊ぼう、?」

俺の様子を伺ったのか、語尾に不自然なクエスチョンマーク。
最近仕事ばっかりだったし、ね?と君は俺の袖を引っ張った。
確かに最近は色々あって一緒に居る事は本当に少なかったな、と今までを振り返る。
気づけばはずっと、ね?ね?と言い続けていた。(少し嬉しい)

「うん、わかった」
「やった!お洒落しなきゃ、ね!」

また、いつもの「ね」が始まった。

「あのね、遊園地行きたい!あっ見たい映画もある」

彼女は一つに絞れず、うんうん唸って考えていた。
必死に悩んでも、寧ろ選択肢は増えていく一方らしい。

「さ、退何処行きたい?!(つかれた!)」
「え、う、うーん?特に無いけど...」
「き、決められない...」

そんなにたくさんあるのか、と少しびっくりした。
指折り数えて色々上げている。
どれもぱっとする、というか物凄く行きたい衝動に駆られる、というか、
興味をそそられる物は皆無だった。

「、何時も通りでも良いと思うんだけど」
「? え?」


何時も通り屯所を飛び出して、何時も通り、何時もの道を歩いて、何時も通りクロ(犬、黒い)に挨拶して
何時も通り、万事屋の旦那に少し冷かされて、何時も通りあのお店でお団子食べて、何時も通り、

「うん!其れが一番良いかも、ね!」

ほら、また「ね」が始まった。


とびきり素敵な魔法

俺の首を横に振ることが出来なくなる効果

(あと一歩の恋企画)