わたしは、花だからハウルの重荷なの?


君という花 :)


『でも、わたしは花だけど心があるわ』
「皆持ってるものなんだ、ココロは。」

でもは幸せなんだ。
カルシファーはそういった。

「ココロを伝える術を持っていないから、モノは悲しい
 んだ。」
『でもわたしは、違うのね。話せるもの。モノじゃない。』

寧ろヒトに近いモノでは無いかしら。そんな風に思っては、
いけないのかしら。

『如何してわたしは彼を苦しめることしか出来ないの?』
「だって、君は花なんだもの。」
『マルクル。じゃあわたし、如何したらいいの。花は、一
 体 如何あるべきなの』

本当の花をわたしは理解することは出来ないのです。気づ
けばもう春だった。まだまだ小さい種だった頃、頑張って
芽を出したの。花として生きるため、頑張って太陽に向か
っていったのに。わたしは人間よりもヒトで、花なんかよ
りも儚くて、此の世のモノよりも醜く生まれた。

意思を、心を持っただけなの。私。

「そんなの、簡単だ」
『カルシファー、とっても難しいじゃない。』
「選り好みしなきゃ、すぐ見つかるもんさ」
「じゃあ、一つしかないじゃないか!」

マルクルが大声をあげた。(ちょっとびっくりした)正直、
まだ解からない。如何すればいいのか。

『その、一つって?』
「一つは一つさ」

「ココロを捨てるのさ」
「それじゃあ、とても悲しいモノになっちゃうよ」
「じゃあ死ぬしか残らない。皆苦しい」

「厭だよ。が死んじゃうのは厭だよ。」

マルクルはわたしのために泣いてくれた。わたしの葉っぱに
雫が落ちた。とっても重くて、綺麗だった。そして鉢の中の
土にぽとりと染み込んだ。次々と、マルクルは大粒の涙を雨
みたく落としてった。

『わたしはハウルが大好きだから、何か出来るならしたいの』

だからマルクル、泣かないで。カルシファーも、教えてくれて
有難う。

『わたしのココロはきっと、いつもハウルの中だもの』





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刹那に。